第四章
ユウとリムは幼馴染みで、ルーティ、スピカ、ピチカの三人を幼い頃から揃って面倒を見てきた。それはスピカがいなくなってからも変わらず、ずっと……ずっと。
「……止めなさいよ」
ぽつり、とリムは呟いて。
「は」
「何をしてるの! 早く!」
リムが怒気を含んだ声を上げると、ドンキーは慌てて部屋を飛び出していき。
次いで部屋を出ようとするルーティ、リオンをユウは遮るように腕を突き出して止め、一旦リムを尻目に捉えると。
「……全く」
溜め息を吐き出しては瞼を閉じて。
「これだから馬鹿は困る――」
――場面は変わり。
「くっ」
此方はエックス邸、玄関へ続く廊下。
ここでウルフとファルコは銃撃によりスピカの足止めをしていたが、意外にもスピカの抵抗は激しく、遂に銃弾も底を尽きて。