第四章
「……大方」
ユウは胸ぐらを掴むドンキーの手に触れてそっと離さすと、ぽつりと口を開いて。
「此方がダークシャドウの敵に回ると言うもんだから、自分もダークシャドウのリーダーとして敵になるという考えだろう」
ユウは今まで以上に冷めた目付きをしていた。しかし、次の瞬間ふっと笑って。
「本人がダークシャドウの味方であると決めた以上、ダークシャドウも手出しは出来ないだろう。彼に攻撃を加えることは本能が許さないだろうからな」
――まさか。
「ユウ……お前……」
何を言い出すか察したのだろう。
はっと目を開き、ドンキーはそのままユウを見据えて。ユウはルーティを尻目に。
「捕らえ、留めたところでスピカの考えは揺るがない。……ルーティ。ここで意味を成さないより、成した方がいいだろう?」