第四章
「スピ、っ、ウルフ!」
急いで追いかけようと身を起こすルーティだったが、腰を壁に強く打ち付けたお陰で痛みが走り、上手く立ち上がれず。
咄嗟にルーティが暇を持て余していた様子のウルフの名を呼ぶと、ウルフは短く息を吐き出し、部屋を飛び出して。
「ったく、最近の餓鬼は!」
ファルコは頭を抱えて舌打ち、追うように部屋を飛び出す。次いで溜め息を吐き出すユウ。ドンキーは睨み、胸ぐらを掴んで。
「何のつもりや」
「……何のことだ」
「とぼけんな! スピカをどうするつもりかって聞いてんねん!」
「やめなさいよ、ドンキー」
苛立ちを抑えきれない様子のドンキー。
こんな時に喧嘩なんかしてる場合じゃないでしょう、とリムはドンキーの二の腕にそっと触れ、静止させようと試みる。