第四章
「……そうだよ。家族なんだ」
呼応するように一歩後ろに下がり、スピカの表情に再び影が差す。
「スピカ?」
「俺はダークシャドウ。リーダー、スピカ・リー。そうだろ?……だったら」
ばちばちっと電気の擦れる音。
まさか、と目を開いたのも束の間、スピカの体を黒い稲妻が走り、そして。
「俺にも考えがある!」
ぱちんっと指を鳴らす。
次の瞬間、スピカは黒い稲妻をルーティ目掛けて放って。咄嗟の出来事に対応出来ず、無防備なまま構えるルーティの目の前に、リオンが飛び出して片手を突き出す。
「っ、く……!」
稲妻が直撃する手前で波動によって作り出された壁で防ぐも、反動でルーティを巻き込みつつ後ろに飛ばされて。
「いっ」
「ルーティ! リオン!」
フォックスはすぐに二人の元へ駆け寄り、身を案じて。その隙にゆっくりと後退していたスピカは、逃げるように部屋の外へ。