第四章



「違うっ!」
「何をそんなにムキになる必要がある」

ふと、ユウの表情から笑み消えて。

「人間兵器、ということはだ。失ったところで、創造主のマスターに頼めばまた造り直してもらえるわけだ。……最もこれは」

ユウは瞼を閉じて。

「神の思し召し次第だが」

それもそうだ。スピカはぐっと拳を握ったまま、顔を俯かせていた。

すると、小さく首を横に振って。

「……それじゃ駄目なんだよ」

ぽつりと口を開く。

「我が儘なのは分かってる」
「スピカ……」
「でもっ!」

思わず名を呼ぶルーティ。スピカは顔を上げると同時に語気を強める。

その表情に怒りこそ窺えなかったが、少しだけ潤んだ瞳が悲しみを感じさせて。

しん、と室内は静まり返る。
 
 
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