第四章



ユウは続けた。

「正義と悪とはそういうものだ。共存など出来るものか。ならば今更、戦わないという選択肢は無いだろう」

――それは。

「全く、甘えた考えだ。笑わせる」

残酷ながらも、的を射た意見で。

「……そうかよ。面白いことを聞いたぜ」

しかし、今回のスピカは強気だった。

ぐっと悔しそうに奥歯を噛み締めて部屋に一歩足を踏み入れたかと思うと、拳を握り、後ろ手で壁を叩き付けて。

「あんたら正義とやらはっ」

これまで以上に怒りに満ちた表情で。

「仕方ないからって人を殺せる集団なのかよ!」

するとユウ、はっと嘲るように笑って。

「とんだ過保護だな。奴らは人間をベースに造られた兵器。人を殺す、という表現よりか、機械を壊す、という表現の方がしっくりくるだろう。……違うか?」

口元に笑みを浮かべ、小首を傾げる。
 
 
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