第四章
「……“ダークスコア”」
ぽつり、とユウは呟いて。
「えっ」
「この世の生き物全ての魂を利用し、“ダークスコア”を完成させるのだと。完成し、曲を奏でれば世界は終焉を迎える」
ユウは瞼を閉じ、思い出しながら。
「世界の終焉――それが、人間が今まで犯してきた罪に値する、最も相応しい処罰」
誰もが驚愕し、黙り込んでいた。ユウは薄目を開き、終始暗いトーンで。
「ダークシャドウは首謀者のベンゼルという男に肉体を与えられ、その代わりに手を貸しているらしい。……全く」
はあ、と溜め息を吐き出して。
「呆れた話だ」
彼が呆れているのは、音楽で世界を終焉に導こうとするベンゼルの考えではなく。
恐らくダークシャドウ。
「彼らは……操られているの?」
「可能性は高い」
ルーティが訊ねると、ユウは間も置かずにはっきりとした口調で答えて。