第四章
その時だった。――彼らが現れたのは。
ユウの指示で両耳を塞いでいた私は、彼らが何を言っていたのかは分からなかったが……数分間口論した末に、ダークシャドウは此方に攻撃を仕掛けてきた。
攻撃をするわけにもいかず、とにかく一旦退却しようということで、ユウは耳を塞ぐ間もなく私を連れ、得意の超能力のテレポートでここまで逃げてきたわけだ。
「なるほど」
リオンがそこまで話し終えると、フォックスは腕を組み頷き、相槌を打って。
「ユウ。話せるかしら」
リムは不安げな視線を送って。
「無理はさせたくないわ。……でも」
ルーティも、リムがどうしてこんなに気を落とすのか何となく察していた。
――昨日、ダークリンクにあの黒い楽譜を渡したばかりだ。この異変はその直後なのだから、自分も関係者かもしれない。