第四章



その時だった。――彼らが現れたのは。

ユウの指示で両耳を塞いでいた私は、彼らが何を言っていたのかは分からなかったが……数分間口論した末に、ダークシャドウは此方に攻撃を仕掛けてきた。

攻撃をするわけにもいかず、とにかく一旦退却しようということで、ユウは耳を塞ぐ間もなく私を連れ、得意の超能力のテレポートでここまで逃げてきたわけだ。


「なるほど」

リオンがそこまで話し終えると、フォックスは腕を組み頷き、相槌を打って。

「ユウ。話せるかしら」

リムは不安げな視線を送って。

「無理はさせたくないわ。……でも」

ルーティも、リムがどうしてこんなに気を落とすのか何となく察していた。

――昨日、ダークリンクにあの黒い楽譜を渡したばかりだ。この異変はその直後なのだから、自分も関係者かもしれない。
 
 
10/43ページ
スキ