第四章
「……世界中?」
「ああ」
ユウは小さく頷いて。
「ここから一番離れた土地まで出ていたソニックとスネークから、突然聞こえてきた曲について通信が入ったからな」
ルーティは瞬きを数回繰り返して。
「……気付かなかったのか?」
ユウが小首を傾げると、ルーティはフォックスと顔を見合せ。――気付かなかった。
いや、自分の記憶が確かならそんな通信、一度も入らなかった。何より、一日読書をしていたリムだって首を傾げている。
まさか……通信が妨害されたとか。
「続きを」
フォックスが告げると、リオンは頷いて。
初めは美しい音色だった。
だが、次第に音調は崩れ、次の瞬間には人々の悲痛な叫び声や、思い返すのも恐ろしい……肉を裂く音が頭の奥まで響いて。
幻聴に狂い、叫ぶ人々。ユウに呼びかけられ、私はようやく我に返った。
――この曲は、聞いてはいけない。