第四章
――ユウとリオンの部屋。
「はい、お水」
「っ……悪いな、リム」
部屋のベッドに運ばれたユウは、リオンの手を借りて上体を起こすと、リムに差し出されたコップを受け取り、水を口にして。
水を半分ほど飲み干したところでようやく落ち着いたのか、ユウは短く息を吐き出す。ルーティは改めて怪訝そうに。
「何があったの?」
すると、ユウはコップを強く握り締め、視線を落として。リオンは軽く手を挙げ。
「私が説明しよう――」
ユウと私は察しの通り、早朝から依頼された任務に出掛けていた。任務が片付き、レイアーゼ都内を歩いていたその時だ。
ついさっきまで晴れ渡っていた空が暗雲に覆われ、辺りは騒然とした空気に包まれた。……その直後だ。
美しくも切なく、妖しい旋律がレイアーゼを基点とし、世界中に響き渡ったのは。