第四章



「どうしたの!?」

駆け寄ってきたリムはぐったりとしているユウを目に、口を両手で覆って。

「っ……ク、シャドウ」

ユウの傍らに跪き、何があったのだとルーティが問い質そうとしたその時、ユウは浅い呼吸を繰り返しながら口を開いて。

「えっ。……何?」

辛いのは分かるが、声が聞き取りづらい。

ルーティは眉間に皺を寄せ、怪訝そうに聞き返す。すると、リオンが目を伏せて。

「ダークシャドウが」

ルーティは目を見開いて。

「休戦協定を結んでいるはずのダークシャドウが……攻撃を、仕掛けてきた」


これは一体どういうことなのか。

ダークシャドウの人間兵器としての本能が、スピカの命令に背いた? いや……それは有り得ない。だって、だって彼らは。


彼らは本気で、スピカのことを――


「とにかく」

フォックスは眉を顰めながら。

「ユウを部屋に運ぼう」
 
 
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