第四章
リムの話ではこうだ。
エックス邸内で暇潰しに読書をしていたリムは、ふと窓の外を見てそれまで晴れ渡っていた青空が、曇っていることに気付く。
雨に打たれ、風邪を引かれてはいけないので、リムは本を置くと外に出ている者、特に子供組を呼び戻そうと外へ出た。
ところが、エックス邸の外には木陰で横たわっているピチカしかいない。
辺りを見回しても他の子供や剣士もいないし、仕方なくリムはピチカを連れて、エックス邸へ。酷くうなされているようだったので名前を呼んで起こしてみた結果――
「ピチカ……皆が死んだ、とか言ってたみたいだけど」
ルーティが口を開くと、誰もが考え込んで。――不可解なのはそこなのだ。
眠っていたはずのピチカが、どうしてそう言うのか。夢でも見てたのだろうが、それにしてもあの怯え方は異常すぎる。