第一章



「そっか。頑張りな」

そう告げると、ダークトゥーンは大きく頷いて背中を向けると自分の部屋へ。

そのやり取りを端から眺めていたダークウルフは、とりあえずそこで倒れてしまっているダークフォックスを引っ張り起こし。

「ってて……リーダー。ギャグだから死なないで済んだけど、普通は感電死だぜ?」

ぷいと顔を背けるスピカ。

ダークフォックスはまだ完全に痺れが取れないのか、手足をぶらぶらさせながら。

「それとも……まさかロリショタ萌え」

強制終了。

しかし、彼の頭を殴ったのはスピカではなくダークウルフ。ダークフォックスが痛みに悶えてる隙に、胸ぐらを掴んで。

「もういっぺん言ってみろ」
「言ったら殺されそうだから言わなぁい」

スピカを馬鹿にされたことを怒っているのか、ダークウルフは頬に青筋を浮かべながらダークフォックスを揺さぶって。


――誰が、この微笑ましい光景を見て、神に造られた人間兵器だなんて思うだろう。
 
 
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