第三章
「おはよう」
「ひっ」
暗がりの中、檻の外からリュカの顔を覗き込んだのはネスである。リュカは思わず短く悲鳴を上げると、鉄格子から手を離し。
次の瞬間、リュカが放り込まれていた檻がライトアップされて。ライトの眩しさに眉を顰め、腕を翳して目を細めるリュカ。
よくよく見てみればそこにはネスだけでなく、マルスやロイ、アイク、カービィやメタナイトと見知った連中が遠巻きに黙って此方を見守っている。
――全員、瞳に赤黒い光を宿していて不気味である。リュカは静かに息を呑んで。
「……、え」
完全に静まり返ったその時、何者かの寝息が聞こえてリュカは振り返る。
どうして気付かなかったのか、そこには大きな獣が眠っていた。異常に裂けた口に背中には蝙蝠のような翼。体は赤紫色で、頭の上にはひよこが乗っかっていて。
――まさか! 見覚えのあるその容姿に、リュカは大きく目を見開いた。