第三章
子供専門の罰ゲーム。
成る程、黒髭危機一髪の主人公というわけか。本物より鮮血が飛び出すだろうに。
「はぁい、残念だったねぇ」
間もなく剣は抜かれ、ぐったりと脱力するディディーに何者かが軽薄な声音で話しかけてきて。ディディーは虚ろな瞳で。
「あぁ……っ……くぅ……」
「心臓は何処かなぁ? 何処かなぁ?」
この声は確かにピットである。
しかし、言動から察するに彼は本人ではない。だとすれば、ダークシャドウか。
「ここぉ?」
「っあが……ぁ……っ!」
続いて左肩を剣によって貫かれ、ディディーは悲痛な声を上げて。が、無線はまだ繋がっているのだ。怖がらせたくはない。
途中、息ごと声を呑み込むことで、何とか声を抑えて。しかし今度こそ激痛で意識が朦朧として、ディディーは項垂れる。