第三章
「本物なんだよ。全てが」
ディディーははっきりと言い切った。
そんなはずはない、とでも思っているのだろう。ピチカとトゥーンは沈黙している。
「確かに、ここは夢の中の世界だ。現実の世界での俺達は恐らく、強制的に眠らされている……だが、聴覚や視覚、感覚全てが現実とリンクしているんだ」
ディディーは見えもしないのに、真剣な顔付きになって事項を伝える。
「いいか? ここにはリンクだけじゃない、マルスもいた。だが彼らは敵……ダークシャドウだったんだ。彼ら曰く、本物は強制的に眠らされ、悪夢を魅せられている。無闇に攻撃を与えれば、本物にも負担が」
ディディーの台詞が、途切れた。
「……おい、ディディー?」
今まで黙って話を聞いていたトゥーンは、怪訝そうに名前を呼んでみる。
――次の瞬間。
「っあ……あがぁ……!」