第三章



「で、何処にいんだよ」

暫しの沈黙の後、トゥーンは訊ねて。

「分からない」
「ちょ、分からないって!」
「どうどう」

ディディーは人差し指で頬を掻きながら。

「……何てーの? 実は言うと、さ。俺、捕まったんだよね」
「はっ、お前……」

これは情けなさすぎる。またも罵声が飛んでくるかとディディーが身構えていると。

「……無茶しやがって」

トゥーンは溜め息を吐き出して。

――トゥーンは知っていた。彼が兄譲りのお人好しで、だから仲間の為に無茶をしすぎて捕まってしまったということを。

「……捕まって、どうなったんだよ」

恐る恐る訊ねるトゥーン。

「何か、足元に出来た魔法陣から白い手が出てきて、中に引きずり込まれた」
「軽くファンタジーだな」

ディディーの回答に、トゥーンは呆れ気味に返して。ディディー、思わず苦笑。
 
 
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