第三章
気付けば、リンクはもう隣のゴンドラに乗り移って迫ってきていた。ディディーは思わず後退するも、既に逃げ場はなく。
その時、視界の端でとあるものを見付けて。――こうなったら、一か八か。
やるしかない。
「大丈夫だ……大丈夫……、よし」
自分に言い聞かせるように呟き、目の色を変えて。次の瞬間、バク転しつつ後方に飛び退いて、勢いよく真っ逆さま。
リンクはゴンドラの上からディディーが落ち行く様を見下ろし。刹那、ディディーが飛び下りた先にあったのは――
「っ、うお」
トランポリンである。
ぼよん、ぼよんと数回飛び跳ねた後、ディディーはトランポリンから離れて建物の影へ。間もなくリンクが下りてきたものの、見失ったのか、暫くその場で辺りを見回した後、別の場所へと立ち去ってしまい。