困った時の?
数分。本当に指で数えるほどの数分後。
「はいおしまい」
初めにクレイジーが宣言通りマスターソードとファルシオンを神力を用いて目の前で破壊、粒子化させた時はぎくりとしたが。続け様マスターが静かに右手を翳すと本当に気の遠くなるような年数の元の歴史を刻んだものかと疑うかのような早さ、呆気なさでその二つが手のひらの上に光に包まれて生成された。
その儀式を終始伏し目で執り行う二人の姿は。
不意を討つのも忘れて見惚れるほどに。
「はー肩凝ったんだけど」
「僕たちには目が光っただけのようにしか見えなかったけど」
「だろうね。でも神力は魔力や体力とは絶対的に違う」
クレイジーはぐるっと左肩を回して。
「要するにすっごく疲れんの。兄さんを見て」
マルスが目を遣ると。
「お、俺は……疲れてなんかいない……」
なんか物凄く疲れていらっしゃるー!?
「神力は回復を図れない。時間をかけて生き物から得ていくものなんだ」
「元気……何とかみたいだね」
マルスが苦笑いを浮かべる側でリンクは何やら考え事をしていた。
「とにかく、それ相応の報酬はいただくよ。パフェとか。飛び切りでかいの」
「そんなのでいいんだ……」
「便利ですね」
ぽつり。
「少しばかり見縊っておりました。何せ悪事しか働かないもので」
「世界平和とかただの人間でもどうにかできるレベルのことに誰が手を貸すか」
「仰る通りです。……なのでついでと言っては何ですが」
リンクはにっこりと。
「もう少し頼まれてくれませんか?」
「……は?」