困った時の?
入ってきたのはルフレとマークだった。
「任務を終えたので報告を。部屋にはいらっしゃらなかったので」
「……随分と物騒なお客様だね」
マークが呟くとクレイジーはべえっと赤い舌を出して反抗。
「ありがとう。ゆっくり休んでくれ」
ルフレの差し出した報告書を受け取ってロックマンは笑いかける。
見れば見るほど二人の姿はぼろぼろだった。一体どんな場所に出向けばそんな姿になって帰ってくるのか知らないが、それなりに苦戦を強いられてきたらしい。ルフレは視線を受けて一瞥したがふいと扉の方を向いて。
「ルフレ。マーク」
呼び止めたのはマスターだった。
「こっちに来い」
視線、交えて訝しげに。二人は素直に足を揃えて歩み寄る。
「兄さん」
クレイジーが呼ぶのも構わず、マスターは右手を翳した。直ぐにその手のひらには淡い光がぼんやりと灯り、所々が裂けたり焦げ付いていたルフレとマークの衣装を浮かび上がるブロックノイズが修復をして。いや、修復というよりは創造神である彼の場合新しく作ったデータを上乗せしたようなものだろうか。
「見苦しかっただけだ」
意図を訊ねるより先。
「この世界にある全ては俺の所有物だ。なら」
「――正しい形であるべきだと」