乱立!ラブフラグ!
青い空。白い雲。心地よい陽気――
絶好のデート日和だと思った。今日という日が平日というだけあってこの繁華街も少なくとも土曜日や日曜日よりは人が少ない。それだけ、人混みに揉まれることもないしそれによるストレスも一切無し。
分かってるじゃん。すっかり気を良くしたパックマンは歩きながら握った手をぐいと自分の内側に引っ張り寄せる。
「!」
ぴったりと。握った手はそのままにもう片方の手をロックマンの腕に回して密着。
「危ないだろう」
「いいじゃん別に。今日くらい楽しもうよ」
パックマンはロックマンの二の腕に頬を寄せる。
「……、」
小さく息をついた彼もそれ以上は何を咎めることもなかった。堅物の彼のことだからこういう行為は人目につくだとか、そもそもの話自分たちは男同士なのだから男女のペア以上に自重すべきだとか云々かんぬん言ってきそうなものだったが。
ちゃんと考えてるんだ。ジャケットのポケットから取り出したメモ帳を片手に歩くロックマンの横顔を眺めながら、パックマンは笑み。
「ああ、見つけた」
声に釣られて顔を上げる。
「……映画館?」