乱立!ラブフラグ!




オレはパックマン。

かっこ良くて可愛い第四正義部隊『フォーエス部隊』の優秀な隊員。

恋愛経験は浅く広く男女共に知識を得てるしこれといった失敗もない。ま、あるとすれば身体の相性的な問題だろうけどそれはまた別の話。


「……は?」


天空大都市レイアーゼ。中央司令塔一階、通路。

「パックマンと隊長だけで?」
「当たり前だ」

向かいのロックマンは短く息を吐いた。

「他の誰かが居たらデートにならないだろう」


隊長と付き合い始めて早一週間。遂に――誘われた。


「パックマンはいいけど、隊長は大丈夫なのかよ」
「既にスケジュールは組んである」
「……断られたらどうするつもりだったんだ」
「その時はその時さ。でも今は承諾してくれただろう」

通常運転、誰より上手な振る舞いにパックマンはむっと口を結ぶ。

「決まりだな」

ロックマンは薄く笑みを浮かべて、

「明日の朝、部屋に迎えにいく」
「待ち合わせするんじゃないのかよ」
「? それじゃ手間だろう」
「分かってないなー」

意気揚々とパックマンは人差し指を立ててデートの何たるかを語りだす。


……デート、か。

付き合ってから全く進展が見られなかったし、まあ相手が相手だけに半ば諦めてたところもあったけどやっぱり来る時は来るもんだな。


なら。少しは期待してもいいよね。……初キス。
 
 
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