レッドさん落ち着いて!



これは一体どういうことだろう。

自分たちはいつ何処でトレーナーとポケモンという健全な関係を拗らせたんだ?

「つまり恋だな」

ネロは思わずお茶を吹き出した。

「がはがはっ、げほっ、変なこと言うな!」
「水でも飲むか?」
「嫌がらせか!」 

結局、ひと口だけならと言いつつ全部いただいてしまった。あんな恋人かそれ以上の関係の人間同士がやるようなこと、言うまでもなく初めてだ。

「考えすぎだ。トレーナーとポケモンの関係なんてそんなものだろう」

確かにそうかも知れない。悠々と足を組むユウを恨めしそうに見つめる。

ちなみに時刻は午後七時を回っていた。此処は食堂だがあんなに沢山あったポフィンも今はすっかり跡形もなくなり個々の夕食のいい匂いが漂っていて。ネロはユウとリオンを交え相談ついでに食事をとっていたのである。

「主従プレイが捗るな!」

……こいつは放っておこう。

「今までこんなことなかったのに?」
「しなかっただけだろう」
「それを真っ先に俺に試すかよ」
「……素直に喜んだらどうだ」

淡々と。ユウは食事を進めながら。

「兄妹の内で優先順位が勝ってる証拠だ」
「そりゃ喜びたいけどよ――」
「初めての主従プレイには犬用の首輪とリードをお勧めする!」
「ああもう五月蝿い! しっ!」 
 
 
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