レッドさん落ち着いて!
「……急にどうしたんだ?」
本題を切り出すより早くマークが聞いた。
「珍しいじゃない。それってあの三人が来ていないことと関係あるのかしら」
ルフレの言うあの三人とは無論、パートナーであるローナ、シフォン、ネロのことである。いつでも何処でも、と言うとまるで依存してるかのようだが彼らに至っては比較的良い意味で本当の血は繋がっていなくとも家族のように深い絆で――
「絆、か」
内心考えておいてそのただひと言だけ、レッドはぽつりと漏らした。
「二人には俺たちがどう見える?」
突拍子もない質問にマークとルフレは顔を見合わせて。
「……自信がないんだ」
「どうして?」
「だってあんなに」
そして、勘付く。
「メガシンカが出来なかったんだよ」
ある日、叔父から送られてきたメガバングル。メガシンカと聞いて心浮き立つまま添えられていたキーストーンをセットして試した。
リオンはメガルカリオに。ユウはメガミュウツーYに。
……なのに。
ネロはメガリザードンになれなかった。
「それは妙な話ね」
「僕たちから見ても君たちの絆は誰にも劣らないものなのに」