ハツジョウ禁止!リターンズ!
次の瞬間。
「うごふっ!?」
それは何の前触れもなく。
「兄さんっ!」
数歩先。二人がある領域に誰より早く踏み込んだのを合図に。
――左右の扉が開け放たれて。
「え?」
正確に目の当たりにしたことを説明すると。
まず向かって左側の扉から金色の物体が颯爽と飛び出しマリオの頭を直撃。声を上げて怯んでいる隙に青い光がぐるぐると絡み付き捕らえて。一方ルイージ、驚いて目を開いている間に右側の扉から白い触手――いや、布、包帯が乱雑に飛び出してルイージの体を絡め取ると、双方同時にぐいと有無も言わせず引かれて。
「うわああぁあああっ!?」
攫われた。
「え?」
ルーティは遅れて状況を理解。
「ええぇえええっ!?」
ドンキーがすかさず左側の扉に飛び付く。
「なんや、何があったんや!?」
「片方はチコによる体当たりに加えロゼッタの強い魔力が働いていました、そしてもうひとつは一瞬見えた包帯から察するに、ドクターです!」
言いながらリンクも加わったが押せども引けどもビクともしない。
「せやからどないなっとるゆうんや! 気配も何も感じられんかったで!」
「殺気とは違うんです、分からなくて当然ですよ!」
まさか早速仕掛けてくるなんて。
「あーもう! あかん!」
「どっちですか!」
「開かんしアカンしどっちも、」
「ぎゃああぁあああっ!?」