ハツジョウ禁止!リターンズ!
――司令塔内部四階、『フォーエス寮』。
煙が晴れると迎えたのは暗闇に満ちた長い通路だった。左右に点々と扉が置かれているが御察しの通りフォーエス部隊メンバーの各部屋である。部屋割りについては誰も窺っていない。加えて、空き部屋もちらほらとある。
さて。予想の事態がいよいよ濃厚になってきた。何処の世界に上層部からの連絡に応じずエレベーターには四階に下りられないよう二重封印を施していて、いざ到着となれば人っ子ひとり気配なく一切の明かりも付かない暗闇で、それで無事です何でもありませんなんて言えるだろうか。
「うーわっ、見たことあるよ。こーゆー光景」
未だ色濃く残る苦い記憶がカービィの顔を顰めっ面にする。
「離れんとうにな」
「ぅ、おうっ」
ディディーはしっかりとドンキーの後ろへ。
「この通路には居ないようだ」
「となると片っ端から当たるしかなさそうだな」
リオンとユウは口々に。
「とりあえず」
マリオは遊戯銃を手に踏み出す。
「こいつで撃てるのは三発までだ」
「こんな時に妙な節約をするな!」
「うるさいっ、自前に知ってりゃもっと作ったわ!」
続けてルイージが後を追う。
「……とにかく」
靴音。
「構えたら外すなよ。ただしターゲットはあくまでゲッコウガの――」