ハツジョウ禁止!リターンズ!



「ロイ?」

じっと口を噤んだまま進み出たのはロイだった。

「メタナイトはこれがあると知って俺たちに行かせたんだな」

呟いて、尻目に。

「……後ろは任せる」
「望むところだ」
「派手にやってくれ」

アイクとマルスが口々に応えるのを笑み。

一体何が始まるのかと目を見張っていればロイは扉の前に立つと鞘からおもむろに剣を抜き払って。表示階数がもうすぐ四階に差し掛かろうという頃。

「──剣よ」

ざわざわと風も無いのにマントが靡いて。

ぼんやり足下に浮かび上がる魔方陣に合わせて姿勢を低く剣を構える。

「主の意思を聞け。声に従え」

ぽつりと言って瞳が青く光灯して。


「──封印を打ち砕く!」


次の瞬間、ロイは剣を正面から扉に突き立てた。するとどうだろう。

紫がかったエネルギーが電気のようにばちばちと飛び散って、エレベーターの扉に大きな魔方陣を浮かび上がらせたのだ。強い魔力による二重封印――目を見張っているだけだったルーティが思わず飛び出しそうになるのをウルフが捕らえて。

ロイは踏み込み、更に深く剣を突く。

「ファルシオン!」
「ラグネル!」

マルスとアイクが口癖に叫んで床に剣を突き立てると青白く燃ゆる光がロイを除いて囲うように。

「おおぉおおおおぉおッ!」
 
 
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