ハツジョウ禁止!リターンズ!
レイアーゼ都内中央司令塔、内部。
「お話は窺っております」
一刻の猶予も争えない緊急事態ということで誰も踏み入る足を止めなかった。
「では、此方から」
ルーティは案内係の女性が手のひらで差し向けたエレベーターを見つめて。
――第四正義部隊『フォーエス部隊』。
リーダーのロックマン率いる其処は正義を讃え悪を絶つ純正ヒーロー組織。
言ってみれば誰も基本的に仕事熱心で人当たりも良く、反抗的な態度を見せるのもごく一部というだけで非の打ち所もない。……そんな微ブラック部隊が。
昨日から連絡に応じない――
「風邪じゃねえの?」
ぽつりと呟いたのは同行者の一人、ロイ。
「なら、尚更放っておけませんよ」
「あれでも後輩だ。面倒は先輩の俺たちが見てやらねばならん」
口々にリンクとアイク。
「それにしたってこの人数は少し大袈裟じゃないかい?」
そして、マルス。
視線を受けてルーティは暫くの間黙り込んだ。と、エレベーターの扉が開いて。
「前回はおらんかったもんなぁ」
「だよねぇ、僕たち大変だったんだよ?」
経験者が語るも疑問符が飛ぶばかり。
「説明は僕がするよ。まずはエレベーターに乗ろう」