ボク、紹介します!
ちょっと待って。
あのあの、女神さま? ボク、確かに実年齢は成人なんてとうの昔に過ぎてるけどこの見た目だよ? 年齢確認不可避じゃん高級レストランとか期待したボクの純真無垢な楽しみが八割削られたよ! 枝豆摘まみながら紹介するの!?
「お前の紹介したい人ってオッサン?」
「違うよ!」
変な勘違いまでされてしまった。
「とりあえず此処の店で間違いねーんだろ?」
「そりゃそうだけど」
でも、と続けようとしたその時には腕を掴まれていた。
「うわっ」
「ほら行くぞ」
ぐいと引いて横開きの戸をガラッと開く。
「こんな所でじっとしてたら風邪ひくっつの」
ちょっとちょっとと言っている間に入店。
ああもう、どうにでもなれ――!
……二人の様子を電柱を盾に見守る影が二つあった。
その影は入店を確認するとちらり互いの顔を見合わせて。
追うように、同じ店の中へ入っていった――