ボク、紹介します!



「ぶえっくしょい!」 

隣で盛大なクシャミが上がった。


「大丈夫?」

紅葉彩る秋が涼しさよりも寒さを感じさせるようになってきた今日この頃。

ピットとロイはレイアーゼ都市繁華街を歩いていた。

「あー、さみっ」

鼻を啜って体を震わせるロイにピットは苦笑いを浮かべる。

「お前は平気なのかよ」

きょとん。

「肩とか足とか」

どうやら服装のことを言っているようなのだ。

「ま、ボクの場合は慣れっこだし」

本音を言えばもう少し着込んでしまいたかった。こんな寒い日にいくら普段着とはいえ指摘された通り肩を出して足も出して、それで全然平気というはずもない。

とはいえ。指定されてしまったからには仕方ないのだ。


……あの女神さまに。


「つか、お前から誘ってくるなんて珍しいよな」

ロイは覗き込むようにして、

「何かあんの?」
 
 
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