インヴァースの輪舞曲
「──ここまで無敗の成績を誇る第四正義部隊フォーエス部隊の隊長ことロックマン。次が最後の試合となる訳だけど──解説のナンジャモどの。ここまでの戦い、正直言ってどうだった?」
実況の声。
「んもー最強すぎてシビれちゃったよ! これは最後の試合も圧勝のヨカン?」
解説の声。
「イーシスたん的にはどんなカンジ?」
「読めねぇかなって」
「意外だね!?」
程なくして戦場に戦士らが降り立つ。
「どっちが勝つか賭けちゃう?」
「いーこと言うじゃん」
モニターの画面を食い入るように見つめる者──端末を握り締める者。誰もが緊張に息を呑んで見張る中で遂にカウントは零になる。
──始まる。
「!」
まさか初っ端から馬鹿正直に正面から突っ込んでくるものだとは。ロックマンは目を細めてパックマンの噛み付く勢いの拳を両腕を構えて防ぐ。すかさず解いて回し蹴りを仕掛けたがこれは予測通り身を屈めることで躱された。そのまま下から上へと拳を突き上げてくるものと読んで打ち払った右腕を変形させて両刃を構えたが、その脇をすり抜けてパックマンはロックマンの後方へ。
急ぎ視線を走らせたがパックマンはまるで肉眼に映らない引いた線の上を走るように空中を駆けて一回転──虚空を蹴り出してロックマンの首後ろ目掛けて踵落としが炸裂する。
まともに受けたがそれだって軽傷に過ぎない──振り向き様に右腕を払えば容赦ない斬撃がパックマンを襲った。だがしかしこの攻撃を受けたからといって退くはずもない。彼が不利な体勢である今こそダメージを稼ぐチャンス──攻撃を受けながらパックマンはロックマンの頭に目掛けて蹴りを見舞い着地と同時に胸ぐらを掴む。足を掛けて地面に叩き付けるように放り右腕を引けば。
ブロックノイズが肌の表面を伝い──形成する。