インヴァースの輪舞曲
「ロイさん、ピットさん!」
阿弥陀籤の結果を受けて駆け寄ってきたのは。
「シュルクだったんだね!」
「はいっよろしくお願いします!」
「敬語なんか使わなくてもいいのに」
苦笑するロイにシュルクは慌てて手を振る。
「そんな──出来ませんよ!」
「まー性格的に無理だよなぁ」
「──じゃあ一週間よろしくねぇ?」
この声は。
「な、何だか緊張するな」
「僕たち普段話さないもんねぇ」
どうやらマークは阿弥陀籤の結果、カービィとメタナイトの部屋でこの一週間過ごすことになったらしい。とはいっても偶然か必然か普段ストッパーの役割を果たしているメタナイトは任務に出ているようで今日は二人きりのようだが──視線を受けてカービィはその心中にも気付いた様子。
「まぁこれからいっぱい話そうよ」
わざとらしくマークとの距離を詰めながら。
「僕が色々と教えてあげる……」
わぁ。
「うわっどうしたのシュルク?」
ピットが驚くのでロイが振り向くと──成る程、確かに目の色が穏やかじゃない。
「何でも……ありません……」
「なくはないだろ!」
「カービィ!」
「ジョーダンだって手は出さないよ」
ピットに叱咤を受けてカービィはあっかんべ。
「な、何だい?」
「マークは無防備過ぎるよ……」
「えっシュルクなんか怒ってる?」
「一緒にした方がよさそうだね……」
「俺とピットの部屋空けて誰かに使わせるかー」