インヴァースの輪舞曲



バトルルーム。

「あぁあ、一生の不覚じゃあぁ……!」

頭を抱えるのはシラヌイである。

「儂が欲張らなければ……!」
「過ぎたことを悔やんでも仕方ないだろう」

モウカは小さく息を吐く。

「すみません……」
「全然歯が立たなかったよー」

肩を落とすコウに対しツツイはへらへらと。

……戻ってきてみればこの有り様だ。まだまだ此方には人数的に見て余裕があるとはいえ例えチームを組んで挑んでも返り討ちにされる事態が連続しているのでは。現在ロックマンと戦っているのはリュウのようだが早急に策を講じないことにはあれよあれよという間に──

「、!」

モニター画面の中。リュウが善戦している姿を目にマークは思わず固唾を飲んだ。休まず連続して打ち出される拳にロックマンのガードはいとも簡単に崩されその隙に足払いがヒットすればなす術も。彼の抱えたダメージパーセンテージを踏まえるならリュウの繰り出す重い拳の一撃を一つでも頂けばバーストは免れない。

「……!」

──バトルルーム内がざわついた。

後少しといったところで受け身を取ったロックマンが攻撃を読み切ってその場で回避。拳を差し向けたまま次の行動に移せないリュウの懐に素早く潜り込んで下から上へ拳を突き上げた。

まだだ。まだ浮いただけ。けれどロックマンは地面を蹴り出して空中に飛び出すと構えた右腕の砲口から竜巻を撃ち出して空中で身動きの取れないリュウの体をそのまま高く。高く──
 
 
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