インヴァースの輪舞曲



……何というか。この喋り方は。

「何奴」
「ミカゲ」

追いついてきた彼にマークは訊ねる。

「彼に覚えはあるかい」

ミカゲは警戒の色を一度落ち着けると怪訝そうに眉を顰めながら目を凝らす。

「……いや」
「マジもんの忍者キタコレ!」
「、このクソガキ感芳しい少年ボイスは」

その見た目こそ記憶の隅に掠めもしなかった様子だったが声を聞いた途端この反応。

「あの毒舌系ゲーム実況動画配信者の……!?」
「どうぞよしなにー」

少年はへらへらと笑った。

「そーそー。割りかし有名人やらせてもらってる感じなんだよなぁ」
「それ以外の情報は他にあるかい」
「似ても似つかない兄がいるという話だけ」
「げ。クソ兄貴の話すんなよな」

少年は嫌そうな顔をして。

「飛んでくっから」


X部隊メンバーの中に兄弟が?


「イーシス!」
「うわあぁああっ!?」

思わず叫び声を上げるマーク。それもそのはず。マークの横からひょいと顔を覗かせたのは。

「ほらー呼んじゃったじゃん」
「もう私が恋しくなったのだな!」
「違いますね」

X部隊のリオン。

「き、兄弟で御座るか?」
「御座る口調の忍者とか絶滅危惧種だろww」
「草を生やさないでほしいで御座る!」
「御座wwるwww」
「とにかく一度状況を整理させてくれっ!」
 
 
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