インヴァースの輪舞曲
こんな時に──気恥ずかしそうに首に巻いたマフラーを鼻先まで引き上げてミカゲは通知を確認する。どうやら自分がチャンネル登録をしている人気動画配信者の配信開始通知だったようで何となくそのまま通知を開いた。端末の画面は暗転して早速配信の様子を映し出す。
「、しずえさんっ」
モニター画面の映像を目に誰かが声を上げた。恐らく撃墜されてしまったのだろう──その頃ミカゲの端末の中でも同様に大乱闘による熱い戦いが繰り広げられていた。偶然なことにステージは『戦場』のアイテム無しというルールらしく戦っているのは。……戦っているのは。
「え」
ロックマンと、ハル──!?
「どうしたんだよ」
「この試合の様子が」
パックマンが訝しげに目を見張る最中様々な思いを抱いた結果妙に静まり返った室内に酷く困惑を帯びた様子のミカゲの声が続く。
「ライブ配信……されて……」
全員が敗北すればフォーエス部隊の解散。
たかだか口約束。
効力はないものだと高を括っていたのに。
「今すぐ試合をっ」
「それが事実なら尚更中断出来ない」
言い切ったのはマークである。
「……見つけました」
ブルーはノートパソコンを見つめて。
「この屋敷の中にあるモニタールームから不審な電波が飛んでいます」
「行ってみよう」
あの三人でないのなら。
一体。誰が、何の為にこんな事を──!?