インヴァースの輪舞曲
……提示されたルールはこうだ。
ステージは『戦場』固定のワンストック。一試合につき制限時間は三分だが万が一決着がつかない場合はサドンデスに移行する。……アイテムは出現しない。個々の実力のみが物を言う。
基本的には一対一で戦うことになるが二人までであれば組んでもいい。その場合は試合開始時から二人側にダメージパーセンテージが予め加算されるというハンデが設けられる。ロックマンに挑む順番は問わないがあくまでも一人一回まで。まだ戦っていない隊員がその権利を既に戦いを終えている隊員に受け渡すことはできない。
隊員の誰か一人でもロックマンのストックを奪うことができればその時点で終了となる。ただし前述の通り隊員全員がロックマンのストックを奪えないまま敗北した場合は。
フォーエス部隊を。
「無茶苦茶すぎるだろ!」
声を上げて後ろ手の拳で壁を殴ったのは。
「落ち着け。リヒター」
シモンが腕を組んだ姿勢で宥める。
「マークは善処してくれたよ」
シュルクが口を開いた。
「いや、……ごめん」
けれど対するマークは眉を顰めて。
「……最悪の選択だったかもしれない」
「勝てばいいんだろ?」
状況を呑み込めていないジュニアは純粋無垢に。
「これだけいれば誰か一人くらい勝つだろ!」
「簡単に言うよね」
ハルは無表情だが呆れたような声音で。
「相手は……あの隊長だよ」