インヴァースの輪舞曲



ルーティはゆっくりと立ち上がった。

「ロックマン」

呼びかけに応じて顔を上げる。

「結局のところ僕は話を聞くことまでは出来ても止める権利まではなかったんだと思う。単純な話僕は『X部隊』であって『フォーエス部隊』じゃないから仕方ないよね」


だから、と。

ルーティは自身の服の襟首に触れる。


「ここから先は」

その仕草にロックマンは静かに目を開く。

「同じフォーエス部隊の人たちがどう思っているのかちゃんと話し合ってみてほしい」

黒い粒のような小型機器を取り外しながら。

「ね」

聞こえるように語りかける。

「……皆」


まさか。


「あーあー」

聞き覚えのある声にぎくりと肩を跳ねる。

「はいはい知ってましたよ最近様子がおかしいと思えばこれだもんなあ」
「……パックマン」

律儀に屋根を登ってきたのであろうその人は機嫌よろしくない様子で親指で中庭を指す。

「とりあえず降りようか。隊長」
 
 
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