インヴァースの輪舞曲
青いパネルにぼうっと光が灯る。
「地上戦は得意か?」
「、ああ……」
「結構」
共に足を進める。
「始めよう」
大丈夫、だろうか。
疑っているつもりはない──とはいえ自分は地上戦に関しては任せろと豪語しているが空中に投げ出されたら最後お手玉もいいところだ。ルルトとのチーム戦だって電撃による補助で蹴散らしてくれていたにも関わらず足場から遠く投げ出されて戻ってこれない場面が二回も続いた。
一回や二回戦った相手じゃない。十戦とはいかないがそれでも相手にしてみれば自分の動きは読み切ったも同然だろう。あまり悲観したくないが足枷のような自分が隊長と組んだところで何が出来るのか。無論彼の強さを見くびっているつもりは毛頭ないが相手の戦闘力も高いのでは──
「マック」
気付けば転送が完了していた。ステージはプププランド──足場が三つとその背後のウィスピーウッズが風を吹かせるくらいのものだが自分にとっては最高に分が悪い。地上戦を得意としている以上それを躱すのを助ける足場が複数あるのは不利というもの。なぁこんなこと言いたくないが。
この戦いで連勝の記録がここで打ち止めに──
「見ていなさい」
え?
試合開始の号令と同時に自分よりも早く前線に飛び出したその人は同じく先頭に躍り出た格闘タイプのMiiファイターに狙いを定める。その後方では射撃タイプのMiiファイターが砲口からエネルギー弾を撃ち出そうと構えていて思わず足が動きそうになった。
「マック」
はたと止まる。
「ごらん」
その人は冷静に。けれど何処か愉しそうに。
「これが実力の差というものだ──」