インヴァースの輪舞曲
……とまあ。こんな感じで。
"この世界"で販売されている『大乱闘スマッシュブラザーズ』のゲームを遊んでいる一般の人とオンライン対戦が出来るようになっていました。
「……オンライン対戦?」
ロックマンが首を傾げるのも無理もない。
「スマッシュブラザーズのゲームを遊んでいる人たちとリアルタイムで戦うことが出来るんだよ」
レッドが説明する。
「と言ってもその人たちがオンラインの対戦で使えるのは『Miiファイター』っていうカスタムしたキャラクターだけなんだけどね」
ロックマンは興味深そうに耳を傾ける。
「『Miiファイター』のタイプは大きく分けて三つ。格闘タイプ、剣術タイプ、射撃タイプ──でもカスタムによっては例えばこの子たちみたいに炎や水を扱うことだって出来る。違うのは直接生身で戦ってる訳じゃなくてあっちの人たちはあくまでもゲームとしてプレイしてるだけという点かな。……でも面白いところがあってね」
そこまで言ってレッドはモニターにちょうど映し出された画面を見上げて指を差す。
「ほら。『世界戦闘力』ってあるでしょ?」
「……世界戦闘力」
「難しい話でもないよ。この数字が大きければ大きいほど強いって話になるんだ」
「そしてそしてそして聞いて驚けえっ!」
ローナは両の手の拳を握りながら。
「我々はなんと──ほんのひと握りの強豪にしか辿り着けない境地! VIP帯に辿り着くことが出来てしまったのだぁぁぁ!」
ルーティは目を丸くした。
「ほんとっ? 凄いね!」
「ふふふ褒めるな褒めるなもっと褒めろ!」
「そんなに凄いのか?」
「うん!」
背景にきらきらと光を散りばめながら。
「『VIP』はオンライン対戦人数の上位三パーセント未満の上位の人たちだけが辿り着く境地とも言われているんだ。そこには本当に強い人たちしかいない……戦士である僕たちにとっては是非とも目指したい最高峰だよ……!」