井蛙の教訓



第四正義部隊フォーエス部隊隊長削除依頼。

依頼人の男はコーチング会議の際にも居合わせたレイアーゼ中央司令塔で事務員として務めていた男。過去に父親の会社が従業員の意思に反した労働を強要させていたところをフォーエス部隊隊長に目を付けられ制裁を下された事を逆恨み。こうして行動に起こす事はある種の親孝行なのかもしれないが相手が相手であるだけに手足れの組織を頼れど上手くいくはずもなく。

最後の盤面で例の組織の介入が発生して今現在は行方知れず。斯くして事件は無事に解決──


「っじゃないですよ!」


レイアーゼ中央司令塔──二階、会議室。

「どうして話してくれなかったんですか!」
「お、落ち着いてくださいブルーさん」

テーブルを両手で叩いて椅子を返す勢いで立ち上がったのはブルーである。カンナが苦笑いを浮かべながら落ち着けようと試みるも膨れっ面で振り返られたのではそれ以上は何も言えず。

何せ隊長の危機に懸命に作戦を立てて連携して皆で挑んだ事件がそもそも仕組まれていたものだったのだ。それも本来なら敵対している組織の手を借りてまで! 彼らは手を抜いていない様子だったが故に一歩間違えれば本当の意味で命を奪われていた可能性だってある。それを唯の思い付きで周囲の制止の声も聞かず実行するなんて──


「器物破損、複数名の未関係者負傷」


ロックマンはお馴染みのポーズで。

「……此方が罪に問われなかったのは?」
 
 
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