井蛙の教訓
友達。……ともだち。
「ミカゲ?」
「大丈夫かい?」
意識したことがなかった。
「気のせいか背景に宇宙が見えたんだけど……」
「……聞き慣れない単語すぎて」
「友達いないのか?」
ソラのさりげない疑問が突き刺さる。
「どうせ恋人いない歴イコール年齢で御座る!」
「そ、そこまで」
「ホムラさんの言う通りです!」
ブルーが進み出る。
「私たちは確かに同じ正義部隊の一員ですし、互いが互いに仲間だという認識はもちろん間違ってないですが友人や家族とはまるで違うものとして壁を隔てています。でも、もっと気楽な──それこそ友達のような関係でいいと思うんです!」
胸に手を当てながら、
「間違いがあれば正しましょう! 頼ればいい。吐き出せばいい。背中を預けていいんです!」
「おうよ!」
ラッシュは力強く自身の胸を叩く。
「一人で抱え込まずに分け合おうや!」
「独り占めも抜け駆けも無しだぜ!」
テリーは自身の拳と拳を合わせて。
「そういうことですから!」
「わわ、分かったから」
詰め寄るブルーにミカゲはたじろぐように後退。
「いい加減に認めて受け入れなさい」
ルルトが言い放つ。
「選択の余地はないわよ!」
ああもう。
「、……よ」
ミカゲはおろおろと視線を彷徨わせながら。
「よろしくお願いしま、す……」