井蛙の教訓



そんなの、……そんなの。

「迷惑なんかじゃないで御座るぅうう……!」

みっともなくしゃくりあげて泣くミカゲの隣で、マークとシュルクは顔を見合わせて笑った。

「言っただろ。ミカゲ」

優しく背中を摩りながら。

「大丈夫だって」


ぽっかり空いた穴を埋めるように。

言葉が。感情が。


優しく染み渡っていく──


「人殺すだけの仕事でもないだろ」
「その通り」

リヒターに続けてシモンが頷く。

「危惧している事態を避けるだけなら重い仕事は慣れたヤツに回せばいいさ」
「血飛沫など。とうの昔に見飽きたわ」

ケンに続けてカズヤは鼻を鳴らす。

「貴方そんなことを言ったのね」

デイジーは腰に手を当てながらリドリーを睨む。

「見たままの感想だろうが」
「デリカシーについて言ってるのよ」
「──ミカゲ」

次いで口を開いたのは。

「私達は。お前の危惧するような容易く脆い存在などではないさ」

セフィロスは落ち着きのある口調で。

「一人で請け負う事はない」
「仲間がいる」

ソラはそう言って進み出る。

「そーだよ!」
「お前いつも一人で突っ走るくせに」
「言ってくれたら、って話だろ?」

間に割って入ってパックンフラワーがフォローを入れればツツイはうんうんと頷く。

「だからもっと話そうよ!」
「まあ、仲間だし」
「コミュニケーションは大事ですよ?」
「拙者非モテ陰キャオタク故」
「関係ないですよ!」

ホムラは両の手の拳を握って詰め寄る。

「お友達なんですから!」
 
 
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