偽りの天使
接近するダークピット。機銃やレーザー砲の飛び交う空。
翼を羽ばたかせて上昇しながら。
「……ロイ」
次の瞬間だった。
ピットが振り落としたのか、はたまた自分の意思なのか。ロイの腕がふと緩んで、それまでしがみついていたピットの体を解放したのだ。当然、浮遊能力の術を持たない彼の体は抵抗する間もなく真っ逆さま。
追尾するダークピットの直ぐ側を――横切った。
「あはははっ!」
満足げな笑い声が高らかに。
「邪魔だったから?」
ピットは尚も上昇を続けている。
「せっかく飛べたんだ。お荷物だったんだよねぇ」
煽り文句を並べるが応答なし。
「いいよ。でもね、逃がしてあげない」
その背後でにやりと笑ってダークピットは神弓を真っ二つ。
「……次に落ちるのは」
速度を増して双剣の構え。
「お前だ!」
叫ぶ。
「ダークピット!」