偽りの天使
「ピット!」
視線を遣ると思いの外ロイも防戦一方だった。
「そいつの言葉に耳を貸すな!」
音が遠く聞こえる。
機銃やレーザー砲の飛び交う音、爆発音。
「……さっき言ったこと」
視界の端で何かが被弾した。
「本当だよ」
ダークピットは目と鼻の先だった。
「あんたのコピーだからね。その時あったデータは“ここ”に入ってる」
言いながらダークピットは頭を指した。
「……嘘だ」
ピットは静かに言い聞かせるようにして呟く。
「嘘だと思うなら」
ダークピットはにやりと笑った。
「試せばいいんじゃない」