偽りの天使
ガキン、と。金属の音、高らかに。
小さく呻いて受け止めたがダークピットは直ぐに退いて斬りかかった。どうもあの双剣の構えというのは神弓と違って風の抵抗を受けにくく、切り返しが早い。
「っ、うわ」
横に構えた神弓が相手の双剣二連撃に耐えきれず、割れた。
「あははっ!」
退いたが同時右に回転をかけて接近、狭まる二つの刃。
「……楽しいねぇ」
金属音。全く同じ形態となった刃が攻撃を受け止めていた。
「お前たちは、何のためにこんなことをするんだ!」
「マスター様とクレイジー様の気の赴くままに、さ」
ぎりぎりと押し合いながらダークピットは答えた。
「明確な目的なんてないねぇ。……ただ」
弾き、また、ぶつかる。
「興味はあるかなぁ」
肩を震わせてダークピットは嘲り笑う。
「だって人間は、足掻くだろぉ? 例えば、お前みたいに」