偽りの天使



地面に鞭打つように少年が振るったのは金の鎖だった。

「……あれか」

カービィはぽつりと言って見つめる。

「きみがあそんでくれるの?」

少年はかくんと首を傾けた。

「……いいけど」

揺らぎ、瞬き、次の瞬間。


――消える。


「なっ……」
「かんたんにこわれたら、だめだよ?」

目の前に。


「カービィ!」 


腕を大きく薙いで斬撃。

「っ……」

二撃目の鎖による拘束は剣で断ち切って。

逃れ、距離を置いた。

「はやいね」

冗談じゃない。

あいつら、こんな化け物をいつの間に――!
 
 
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