偽りの天使
成る程、ね。
こっちの目に付くように基地を造っておいて誘い込み、事実それらしいよう振る舞いながら時間稼ぎ。本命が登場したらあちらさんが明言していた通り、誘い込んだ一部隊が全滅するまで取り囲む。
性質を理解している。
正義が、悪を見逃すはずがない。
「うわっ」
すぐ横をフォックスかファルコか、どちらかのアーウィンが抜けたもので、その際生じた強い風に思わず怯んでしまった。ぱっと目を開けると目の前には――
「……!」
既の所でメタナイトが飛び込み剣を受け止めた。
「怯むな、カービィ!」
ギリギリと押し合った後、押し返して弾く。ダークカービィはにたぁ、と笑った。
――何でもない唯の一撃が深い。今は自分が動くしかないんだ。
「そりゃどう、もっ!」
背後からの接近を察知して振り向き様に剣を受け止めて返す。
ダークメタナイトだった。
「ククッ」
怪しく笑って、影が揺らぐ。
「好きなだけ足掻けよ。どうせ逃げられねえんだからなァ……?」