偽りの天使
ロイは呆れた顔で答えた。
「んなわけないだろ」
八。
「ロイ!」
放たれる炎の柱に混ざって声が聞こえた。
はっと見下ろせば、ちょうど真下をダークフォックスのアーウィンが通りかかるところ。ロイはファルコと密かに視線を交わして頷いた。
黒い雷撃が敵の搭乗するアーウィンの目前を走り視界を遮ったその刹那。まずはファルコのアーウィンを飛び降りてダークフォックスのアーウィンの翼へ乗り移る。間を置かず彼らが気を取られている隙に蹴り出し、浮遊大陸へ。
「のわっ」
狙い通り茂みに飛び込み、頭の天辺に乗っかった木の葉を手で払う。
隠れて見渡していた最中パートナーの背中を見つけて。
「後ろだピット!」
……む、
「無茶苦茶すぎる!」
ピットはあからさまな顔をしてドン引きした。
「普通無事じゃ済まされないからね!?」
「ま、これでもメタナイトの弟子やってるからなー」
本人はへらへらと笑っているが。
「どんな特殊な訓練を受けているんだ……」
知りたくないけど。