偽りの天使
「くっ」
放たれた黒の雷撃を同じく、此方は青の雷撃を放ってぎりぎりと押し合う。
一方でフォックスのアーウィンが下降に移り、駆けるファルコのアーウィンの下を潜り、すれ違った。そこへネロの能力をコピーしたカービィが両翼を広げてフォックスとその背を追うダークフォックスのアーウィンの間を飛行し、上昇。
「っあぶね」
ダークフォックスのアーウィンの飛行速度が緩む。
そのままカービィは上昇を続けて、ファルコとダークファルコのアーウィンの間を駆ける。十、九、数えてカービィは後転、真下へ向かって炎の柱を放った。
「おっと」
八。炎の柱を前に速度を緩めてダークファルコは左へハンドルを切る。
ロイははっと振り返った。
――七。
静かに息を呑む。
「ウルフ!」
雷撃を弾いて左に逸れると追うようにまた黒の雷撃が襲ってきた。
上昇しつつ機体を捻って躱せば、雷撃は。
ダークフォックスとダークファルコのアーウィンの目前を――