偽りの天使
「ネロ、かえんほうしゃ!」
レッドが声を上げて指示を出すとネロは翼を羽ばたかせ更に飛翔して後転、大きく息を吸って吹きかけるような要領で炎を吐き出した。敵のダークリザードンは腕をクロスさせて直接受け止め、打ち払って弾くと滑空の姿勢で突進。
「調子はどう?」
カービィはメタナイトと背中を合わせてはあっと息を吐き出した。
「人のこと心配している場合か」
「せざるを得ないと思ってね」
メタナイトは不審そうに視線を遣る。
「あっち。追い回されてて活路を作れないっぽい」
視線を与えないのは探られない為だろう。が、恐らくファルコとロイのことだ。
「何秒かかる」
「どうでしょう」
カービィは人差し指と中指を立てたが直ぐに下ろして。
「じゃ、いってくる」
――二十秒。
「ルーティ!」
その声に呼ばれた本人は直ぐに気付いた。
翼の内側に寄って跪きコックピットに手を置く。ウルフはそれをちらりと横目、前方を飛行する偽のウルフェンに光線銃を連続して撃ち込む。続けてルーティが向かって右側へ電撃を放つとダークウルフはハンドルを切って左へ旋回。